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奴隷状態からの脱却は……


by meisou22

世相のウラを読む(243) いよいよクレジット・クランチの発生か

 RBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)が23日、240億ドル(2.4兆円)の資本増強を行った。これはRBSの実質上の破綻を示す。いよいよヨーロッパ発のクレジット・クランチ(信用崩壊)が始まった。いくらFRBを始めとする各国の中央銀行がマネー(不換紙幣)を注入しても、中央銀行自身のバランス・シートを毀損するだけである。これは今回の危機が流動性の危機ではなく、信用の危機(崩壊)だからだ。
 アメリカの4大モノラインのひとつ、アムバックの株価は昨年100ドルだったものが今や2ドル台だ。同じくモノライン最大手MBIAは10ドルを割っている。最終的にこれらモノラインの救済には1000億ドル(10兆円)ぐらいかかるといわれているが、メディアはほとんど報道しない。サブプライム債券はすでに紙くず同然のジャンク債と見なされており、額面の70%で評価した、といっても買い手が全く付かず、無価値(ゼロ)と変わりない。
 もっと恐ろしい事がある。シカゴ・マーカンタイル取引所で扱っているCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という「貸倒れ引当金勘定団残高を保証する先物取引商品」の取引残高が、何と45兆ドル(4500兆円)もあるという。最近、このCDSの保証料が急激に上昇し、料率で7%も上がっているのである。これは、CDSの信用度もそれだけ低く査定せざるを得なくなっている証拠だ。このCDSという先物オプション商品の相場が崩れ始めると、もう手の施しようがない。これにつづくのが米国債の暴落・崩壊であろう。
 結論を言うと、そろそろヨーロッパの銀行とモノライン保険の破綻から次の世界的な金融の大崩れが起きようとしている、ということである。
 ここで先のG7に於ける話を取り上げる。バーナンキは事もあろうに、あれほど日本に要求してきた「グローバル・スタンダード」であるはずの時価会計基準を今になって変えようと言った。それでは、一体あの時の要求は何のためであったのか。時の小泉政権の竹中金融相は、国際公約とまでのたまった。もっとひどいのはマスメディアである。その代表格たる日経新聞は、このバーナンキの発言をどうとらえているのか。コイズミもタケナカも、日経新聞も含めて、一連のグローバル・スタンダードを世界の潮流である、と嘯いた連中は総懺悔すべきであろう。世界恐慌の引き金を作った、責任で。
 今後の世界経済大崩壊はこのような不埒な連中によって、引き起こされる。
by meisou22 | 2008-04-28 15:02