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奴隷状態からの脱却は……


by meisou22

世相のウラを読む(232)日銀が国債を買い取る事について

 民主党のさる大幹部が政府発行の国債を年間1兆数千億も買い取っている事について、暴挙だとわめいていた。武藤元財務事務次官の日銀総裁就任について疑問を呈しての発言である。コラム子は呆れてしまって、こんな人が次期政権を狙う野党の大幹部だという事に寒気がした。何という無知か。
 現在、日本は政府発行の紙幣を持っていない。アメリカFRBと同じように単なる民間銀行でしかない日本銀行(この名前が国立・国有銀行だという誤解を大多数の国民に与えている)発行の日銀券を通貨として使用している。もともと通貨というのは国の借金の証文であり(だからこそ国は国債を発行して日銀券を通貨として流通させているのだ)、国が健全に運営されるためには税金だけでは不可能だから、国が紙幣を自前で発行しない以上、国債を発行せざるを得ない。だが、ここで見方を変えなければならない。一国の通貨(日本の場合日銀券)というのはその国の経済の血液のようなものである。通貨の流通量というのは経済の規模と比例している。現在日本がデフレで極めて経済活動が低迷しているのは、経済の規模に応じて通貨の流通量が少ない、という事に原因がある。つまり日本はもっと通貨の流通量を増やさないとこの不況は克服できない。一部の経済学者が言っている「官製不況」というのはこの事を指しており、財務省の言いなりになって緊縮財政を取り続けている事はいかに総理大臣以下政府幹部が無知・無能であり、一国の政治を預かる資格がないかを端的に証明している。
 いつの時代も財務省・大蔵省は財布の紐を締めたがる。一家の主婦と同じだ。しかし言うまでもなく家庭の経済と国の経済とは根本的に仕組が違う。ミソもくそも一緒クタにしては経済の判断がメチャクチャになる。ミクロ経済とマクロ経済とは違うのだという認識がないと政治家の資格はない。
 話を国政に戻せば、今日本は年間30兆円の国債を発行している。それが実際には1兆数千億しか日銀が買い取ってない、という事は残額は市中銀行なり国民が買い取っているという事だ。だから市中の金が不足してデフレに陥っている。ここの所を政府与党も野党も間違っている。日銀は1兆数千億も国債を買っている、のではなくて、1兆数千億しか買っていないのが問題なのだ。サブプライム問題で揺れている米国では16兆もの財政出動をするが全て国債による借金だ。この意味が分からない政治家は無能を通り越して白痴でしかない。
by meisou22 | 2008-03-18 19:15