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奴隷状態からの脱却は……


by meisou22

 武山です 25              2008.9.8

 お早うございます。武山です。昨晩、米二大住宅抵当金融機関が突然破綻しました。結局、NHKは特別なニュースを流しませんでしたが、民放等の情報を総合すると、フレディマックとファニーメイ併せて160兆円に上る住宅抵当証券を国内外の金融機関を中心に販売しており、今回の資金不足は250億ドル(2兆6,750億円)に上るそうです。フレディマックとは略称FHLMCの愛称で、連邦住宅貸付抵当公社といい、1970年創業、政府出資なしの民間金融機関です。また、ファニーメイは略称FNMAの愛称で正式には連邦住宅抵当金庫といいます。こっちの方は1938年創立の政府系金融機関でしたが、1968年に民営化しています。両社が事実上破綻した事は大変意味が深く、日本でいえば、住宅金融公庫が破綻した事と同一です。いや、それよりも国外に大量に証券化した債券を販売しているだけ影響は深刻です。販売債券の額は160兆円といいますから、べらぼうな額で、その殆どが紙くずになると、大変な事になります。恐らく日本が保有する大量の証券は三分の一以上、ひょっとすると半分近くはジャンク(紙屑)になる可能性があります。この上に総額5兆ドルにも上る保証債務が存在するとなると、ただでは済みそうもありません。これは現時点での話しであって、今後の展開次第では、すべてクズになる、あるいは多額の保証債務を抱える可能性さえあるのです。今朝の東京株式市場が注目されます。(東京が世界で最も早く市場が開く。現在、午前中の株価はこの事がプラスに効いて、日経平均は438円の値上がり) いずれにしても、マスメディアがおざなりの情報しか流さないのは、真実の情報を流せないからです。流すと、債券、株式とも一気に市場がクラッシュするでしょう。また、政府がいくら公的資金を投入して救済する、といっても、もともと連邦政府の金庫には金がなく、FRBからドルを持ち出すことですから、FRBのバランスシートを毀損する事になるだけであり、何の効果もありません。最後はアメリカ国民が財布から金を抜き出して払うだけですが、その国民の財布の中味は、ある意味ですでに空っぽなのです。両社の証券化された債券は米国債と同格に位置づけられており、それほど破綻した事の意味は重大です。 
このサブプライム問題が表面化した昨年7月の時点で、ある経済アナリストはこう評しました。今回問題となった証券化されたサブプライム住宅証券は、いわば健全な肉(プライム債券)の中に狂牛病=BSEに感染した牛肉(サブプライム債券)を混ぜ込んで売っているようなものだ。多数の健全な住宅証券もすべて信用を失って、ジャンク化する可能性が高い。そういう意味で、今回の問題は根が深く、信用回復に時間がかかり、アメリカ経済の息の根を止めてしまうかも知れない、と。事態はまったくその通りに動いています。問題なのは情報が充分に開示されていない点です。情報に疎い日本の地方銀行、適正な運用方法を持たない政府系金融機関、信用金庫、農協などは大いに危険といわざるを得ません。さらに驚くべき事に、政治家の中にも、無知なのか、それとも意図的なのかは不明ですが、かえってアメリカへの投資を増やすべきだ、と発言している者がある事です。最近の日本の相次ぐ不動産デベロッパーの倒産もこのサブプライム問題と無関係ではありません。メディアは真実を流すべきです。そうしないと、大衆から託されているメディアの使命をないがしろにし、国民を不幸に陥れるだけです。
by meisou22 | 2008-09-08 17:35